【佐野】1年前の台風19号で住宅被害を受けた市民のうち市指定避難所や知人宅などに避難したのは4割強にとどまったことが、市が実施した「東日本台風災害に関する市民アンケート」の結果で分かった。避難しなかった理由としては「過去に浸水や土砂流入がない」などが目立ち、市復興推進室は「気象情報や避難の呼び掛けに迅速に対応してほしい」と呼び掛けている。

 台風19号で市内では、全壊6件、大規模半壊74件をはじめ2千件余りの住宅被害が発生した。アンケートは今後の防災対策に反映させようと、今年4月1日までに罹災(りさい)証明を取った2065世帯を対象に郵送で実施。有効回答は57%に当たる1189件だった。

 避難状況を見ると、避難を「した」は43%どまりで、避難のきっかけ(複数回答)は「自宅や周辺に浸水や土砂流入があった」が171人で最多だった。避難勧告は午後4時50分に出されていたものの、避難行動は秋山川上流が越水した午後5時台から増え始め、ピークは午後7時台となった。

 一方、避難を「しなかった」は56%。理由としては「2階に垂直避難できる」「避難する方が危険」などが上位を占めた。「過去に浸水、土砂流入がないため」とする回答の大半は60代以上だった。

 また、ハザードマップについては、80%が「知っている」と答えたものの、内容まで理解しているのは35%にとどまっていた。同室は「ハザードマップを正しく理解し、災害の種類に応じた適切な避難先や避難のタイミングなどを確認していくことが重要」としている。