歴史の息吹を感じることができる展覧会を巡るのが楽しみだ。だが、古文書の展示コーナーは、足早に通り過ぎることが常。難解な文字を読めたらどんなにいいだろう▼県立文書館には、37万点もの古文書が収蔵されている。最も古い物は室町時代初期の「大般若経」。大半は江戸時代の村々にあった年貢などに関する文献で占められている▼本県の歴史を後世に残すために同館は、古文書を中性紙の封筒に入れ、最適な温度と湿度に保った収蔵庫で保管する。ただ、残念ながら他県にあるような修復の機能は持っていない▼水害などで水や泥にまみれた古文書などの歴史的資料を救出、保全するボランティア団体が、県内に相次いで発足した。宇都宮大を軸にした「とちぎ史料ネット」と、那須塩原市や那須町など県北5市町の歴史や考古学の専門家らが参加した「那須資料ネット」である▼那須資料ネット代表の金井忠夫(かないただお)さんは「古文書などは地域の歴史が詰まった貴重な財産。災害でだめにするわけにはいかない」と強調する。泥を取り除いて乾かす作業は時間も手間もかかる。だが特別な技能や知識は必要ないらしい。多くの住民の参加を呼び掛けている▼この週末は台風の影響が出そうだ。被害がないことを願うが、万が一の場合でも「歴史のレスキュー隊」が控えていれば心強い。