捕獲した歌を網から外す関係者=8日午前、栃木市帯刀(井上民利さん撮影)

保護された歌の患部。左脚の付け根部分が不自然に曲がり、傷口にかさぶたが確認できる=8日午前、小山市下生井(小山市提供)

捕獲した歌を網から外す関係者=8日午前、栃木市帯刀(井上民利さん撮影) 保護された歌の患部。左脚の付け根部分が不自然に曲がり、傷口にかさぶたが確認できる=8日午前、小山市下生井(小山市提供)

 栃木県小山市は8日、左脚をけがした国の特別天然記念物のコウノトリ1羽を保護したと発表した。獣医師により保護したその場で下腿(かたい)骨の骨折と診断された。折れた骨が皮膚を傷つけており、抗生物質の投与や消毒などの応急処置が施された。治療のため県の施設に運ばれ、近く手術が行われる。

 保護されたのは、市内の渡良瀬遊水地に定着している雌の歌。同日午前5時40分、栃木市帯刀(たてわき)の休耕田で、餌を食べに来たところを遠隔操作ができる網で捕獲された。コウノトリの生態に詳しい専門家が作業に当たった。歌は捕獲後すぐに目隠しされ、暴れることはなかったという。

 市は1日から同所で保護に向けた給餌を始め、数日前から毎日午前5時半ごろに歌が飛来するのを確認していた。この日は市や県、専門機関の関係者など約20人が作業に関わった。県は歌を保護している施設を一般に非公開として、施設名を明らかにしていない。

 市によると、けがをして救助された野生のコウノトリの事例はこれまで複数あるが、野生復帰できた例はないという。浅野正富(あさのまさとみ)市長は「歌のけがを心配している市民とともに、一日も早い回復を祈りながら治療の経過を見守っていきたい」とのコメントを発表した。

 保護作業には地元でコウノトリの保護活動に携わっている「渡良瀬遊水地見守り隊」のメンバーも参加した。同隊代表の平田政吉(ひらたまさきち)さん(72)は「歌は重傷だが予想よりもひどくはないと聞いている。手術がうまくいくことを願っている」と話していた。