避難所として活用する協定を結んでいる民間施設数

 災害時、民間施設を避難所として活用するため、県内では15市町が計65業者104施設と協定を結んでいることが8日までに、下野新聞社が実施した県内全25市町アンケートで分かった。昨年10月の台風19号を受けて立体駐車場を一時避難場所としたり、コロナ禍の感染症対策として宿泊施設を確保したりしている。今後、協定を結ぶ予定の市町もあり、民間施設を活用する動きは広がっている。

 アンケートでは、災害時の一時避難所として活用するため協定を結んでいる民間業者や施設はあるか、などを聞いた。

 「ある」と答えたのは佐野、さくら、那須など15市町。「今後結ぶ予定」は、すでに結んでいる佐野、真岡、壬生、塩谷のほか、大田原、市貝、那珂川の計7市町だった。

 施設数が最も多かったのは那須町の28カ所。町民数に対する避難所の数が少なかったため、昨年4月に那須温泉旅館協同組合と協定を結んだ。同組合に加盟する施設のうち28カ所が被災者の受け入れなどに合意している。

 台風19号を受けた動きもある。浸水被害を受けた佐野市では、大型商業施設「佐野プレミアム・アウトレット」の立体駐車場を一時避難場所として市民に開放できる態勢を整えた。足利市も、商業施設の屋上駐車場などを活用できるようにした。

 コロナ禍を受け、真岡市は本年度、市内のホテル・旅館業者へ災害時における客室提供の可否についてアンケートした。「可能」と回答した5業者6カ所と締結済みで、1施設とも今後結ぶ予定。塩谷町も、大規模災害で避難が長期化する場合に備えてゴルフ場と協定を結んだ。市貝町も宿泊施設などとの協議を検討している。

 那須烏山、下野、益子、茂木、芳賀、野木、高根沢の7市町は「活用できる市有施設がある」(那須烏山市)などとして「今のところ結ぶ予定はない」と回答。下野市などは協定に向けた検討を進めている。

 ホテルや宿泊施設の避難所活用について、宇都宮大の近藤伸也(こんどうしんや)准教授(防災マネジメント)は「多かれ少なかれスタッフなど働く人が必要になる。スタッフへどんな手当をするのかを考える必要性がある」と指摘する。また、民間施設へ避難する際は「市町の施設への避難と同様に、住民は食料など自分で準備できるものは用意して行くべきだ」としている。