いよいよ秋本番、店先にも季節の味覚が増えている。おいしそうなものばかりなのだが、好みは千差万別。人によっては、どうしても食べられないものもある。飽食の時代では、何の不都合もない▼そうも言っていられないのが、非常時である。大規模災害が発生し、避難所に身を寄せた際には、ほとんどが提供されたものを取るしかない。だが、年齢や疾患などにより一般と同じメニューが食べられない人もいる▼そうした人たちの力強い助けとなるのが、日本栄養士会が配備する災害支援医療緊急車両「JDA-DAT号」だ。先月、県と県栄養士会が災害時の活動に関する協定を結んだ▼車両は複数あり、軽ワゴンには簡易調理台を搭載。乳幼児、高齢者のほか糖尿病、アレルギーがあるなど要配慮者向けの食事やミルクを提供する。レトルトが中心だが、メニューは豊富にある▼県内避難所でも過去に、アレルギーのある子どもが食べられるものがない、食事後に糖尿病者の血糖値が急上昇してしまった、などの実例があるという。栄養士による栄養相談や食事状況調査もあり、現場での一貫支援は、避難を強いられた人たちにはありがたい▼避難生活に耐える体力を保つため食は重要な要素であり、県栄養士会への期待は大きい。出動が必要な災害が起きないことが一番なのだが。