東日本を中心に記録的豪雨をもたらし、河川の堤防決壊や氾濫などによる甚大な被害が発生した台風19号の直撃から12日で1年を迎えた。

 栃木県内では4人が犠牲になり、避難者は最大で約2万人、住家被害は約1万4千棟にも上った。

 あらためて思い知らされた自然災害の脅威。当時の動画や記事を通して、県内に残した爪痕と被災地の1年を振り返る。

豪 雨

  

 県内では11日から雨が降り始め、12日夜にピークとなった。宇都宮、足利、栃木など14市町に大雨特別警報が発表され、23市町に警戒レベル4の避難勧告や避難指示が発令された。

 12日の降水量は、奥日光の481ミリをはじめ、多くの観測地点で10月の月平均値の2倍以上となった。

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爪 痕

  

 豪雨の影響で12日夜から13日にかけて、佐野市の秋山川など各地で堤防決壊や氾濫が相次いだ。

 被害の全容が明らかになってきたのは、一夜明けた13日の朝。浸水した住宅街、積み重なった車、路上に堆積した泥…。前日までとは一変した光景に、誰もが言葉を失った。

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復 旧

 台風直撃から間もなく、被災地では県内外からボランティアも駆け付け、復旧活動が本格化した。

 10市町に開設された災害ボランティアセンターを通して活動したボランティアは2万6000人以上。被災者が元の生活に戻るための大きな力となった。

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希 望

 20年春、栃木工業高では校外で卒業式が行われた。校舎や体育館が大きな被害を受けた上、新型コロナウイルス感染症という新たな苦難に遭っても、卒業証書を受け取る表情は希望に満ちていた。

 復旧や生活再建はまだまだ多くの被災者にとって道半ば。それぞれの歩みは今も、各地で続いている。

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備 え

 広範囲に大きな被害をもたらした台風19号は、県民に防災意識の変化を迫った。

 避難はどのタイミングですべきか、平時からできることはあるか―。また、コロナ禍で避難行動をどう取るべきかという新たな課題にも直面している。

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【災害に備える】
栃木県「栃木県各市町のハザードマップ」
栃木県「浸水リスク想定図について」
栃木県「栃木県避難所検索」