店のファンや演奏者が開店50周年を祝った記念コンサート

支えてくれた常連に感謝を述べる菅沼さん

店のファンや演奏者が開店50周年を祝った記念コンサート 支えてくれた常連に感謝を述べる菅沼さん

 【足利】フリージャズファンに親しまれる伊勢町3丁目の喫茶店「Jazzオーネット」が50周年を迎え、4日、有志による記念コンサートが同店で開かれた。病気で自宅静養中の店主菅沼(すがぬま)きく枝(え)さん(75)を=西宮町=と会場をオンラインでつなぎ、演奏者やファンが交流。半世紀の歩みに思いを寄せ、セッションを楽しんだ。

 午後1時に始まったコンサート。ゆかりの4組がステージに上がり、感謝を音に込めた。新型コロナウイルス感染防止対策で店内の客数を15人程度に制限。多くの人が店外で漏れ聞こえる演奏に体を揺らした。

 店は、高校2年でジャズに夢中になった菅沼さんが25歳の時に構えた。店名の由来になった米ジャズミュージシャンのオーネット・コールマンやアルバート・アイラーらを敬愛する菅沼さんに引かれ、自由な表現を求める演奏者や画家、舞踊家らが集うようになる。若者が夢を語り合い、新しい芸術を模索する場へと変わっていった。

 「赤字でも店を開き続けた」という菅沼さん。病に3度倒れたが、店を守り続けた。3年前にくも膜下出血を患った際は、有志が出資金を募って店を支えた。今年8月に再び体調を崩して肺がんが発覚。治療を拒否して静養する中、今回も有志が節目のコンサートを整えてくれた。

 この日夕方、会場に短時間姿を見せた菅沼さんはマイクを握り「皆さんには長く通っていただき本当に感謝しています。今後のことは決めていない。もう少し続けたいけれど、無理かな」と胸中を語った。

 通って40年になるという埼玉県蓮田市のドラマー、のなか悟空(ごくう)さん(69)は「懐の広さで自由な音楽を許してくれる貴重な場所。また演奏したい」と話し、会場を後にした。