1人1台ずつタブレット端末を使い、ドリル教材で勉強する児童=9月18日午前、矢板市東小

 小中学生に1人1台の端末を配備する国の「GIGAスクール構想」で、栃木県内でも情報通信技術(ICT)を活用したオンライン学習への期待が高まる。子どもの主体的な学習を後押しし、緊急時の備えになるといったメリットがある一方、教員の指導力向上や効果的な活用法などの面では課題も指摘されている。

 県内で最も早く全小中学校への端末配備を終えた矢板市。9月18日、東小で端末起動のセレモニーが行われた。6年生74人が1台ずつ端末を使い、オンライン上でタブレット用ドリル教材の問題を解いていく。

 「あっという間に時間が過ぎる」。児童らは新たな学びの楽しさを体感した。

 タブレット用ドリルは、アニメーション付きの解説動画を見たり、学習の進度をグラフで把握したりすることもできる。

 情報教育主任の西脇正智(にしわきまさとし)教諭(42)は「専用の1台を使えるからこそ自分のペースで、自分に合った勉強ができる。得意、不得意な分野も捉えやすく、学ぶ意欲にもつながる」と期待を寄せる。

 新型コロナウイルスの影響による臨時休校時、各市町教委や学校は独自にオンライン学習を進めた。

 鹿沼市教委は「市小中学校学習支援サイト」を立ち上げ、教員が作ったさまざまな授業動画を公開した。

 担当者は「緊急的でも家庭学習を支援できた」としたが、児童生徒と教員がやりとりする双方向型の授業は行えなかったという。「やれたかもしれないが、ICTを活用する力は教員間でも差があり、現実的ではなかった」と振り返った。

 下野新聞社が各市町教委に行ったアンケートでは、端末導入に当たり「教員のスキルアップ」を課題とする回答が6割を占めた。また、オンライン学習については、各家庭のICT環境の違いで取り組みに差が出る点も課題に挙がった。

 佐野市氷室小は5月、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使い、国語や社会などの遠隔授業を行った。全児童17人の家庭にICT環境が整っていたため、実施できたという。

 同市教育センターの担当者は「リアルタイムで子どもの反応を見られる」と評価する。一方、音楽や体育のような「実技的な指導は難しい」とも。「漢字の書き方を教える場面も同じ。生じゃないと伝えにくいこともある」と実情を語った。