記録画に囲まれながら、亡父への思いを語り合う中村さん(左)と篠原さん(中央)ら=29日午前、宇都宮市明保野町の市文化会館

 太平洋戦争当時、輸送任務などのため日本軍の管理下に置かれ、敵軍に撃沈された「戦時徴用船」の記録画展が10月4日まで、宇都宮市文化会館で開かれている。29日には会場で、同じ徴用船の船長と機関長を父に持つ県内外の遺族2組が初面会を果たした。徴用船の最期の場面を描いた作品を鑑賞しながら、6万人以上に達した戦没船員らの肉親同士が「戦争は二度と繰り返してはいけない」との非戦の思いを共有した。

 開催されているのは「戦時徴用船遭難の記録画展」で、戦没船員の追悼式などを催す日本殉職船員顕彰会(東京都千代田区)の主催。大阪商船(現商船三井)の嘱託画家大久保一郎(おおくぼいちろう)(1889~1976年)が戦時中の厳しい統制下、ひそかに描いた油彩画約80点のうち戦後に発見、修復された37点などを展示している。