合意書を掲げる渡辺市長(中央)ら

 10月から本格稼働する新型コロナウイルス禍における那須塩原市の「持続可能な観光モデル」合意書調印式が29日、市役所本庁舎で渡辺美知太郎(わたなべみちたろう)市長と板室、塩原両温泉の関係者5人が出席して行われた。宿泊事業者へのPCR検査で陽性者が出た場合は施設名を公表し対策を講じるほか、施設に感染拡大防止協力金20万円を支給。また100人限定でPCR検査をセットにしたツアーも計画するなど、「選ばれる観光地」へ新たなスタートを切った。

 観光モデルは、PCR検査などで安心安全を「見える化」し、観光事業者と観光客が応分の費用を負担。感染リスクともされる観光客のイメージを転換し、観光業に不安を抱く市民の不安を払拭(ふっしょく)して、観光地としてのブランド向上を図る。

 渡辺市長は「『責任ある観光』は非常にハードルが高い話だったが、多くの関係者の理解で日本で最初に感染対策をとる観光地としてスタートすることができる」などと述べた。

 今後、第三者機関による「事業者認証制度」を年度内に創設するほか、入湯税引き上げに伴う宿泊施設のシステム改修などに10万円、PCR検査陽性者に見舞金5万円も支給。陽性者と事業者への協力金などの支給は、観光に限らず市内全業種に適用するという。

 市産業観光部によると、PCR検査の実施人数の想定は29日現在で24宿泊施設の89人。今後、順次他の宿泊施設とも合意書を取り交わし、実施人数を増やす。

 調印式では、PCR検査実施状況の市ホームページ掲載など全7項目の合意書に関係者が署名。板室温泉旅館組合の室井孝幸(むろいたかゆき)組合長は「安心安全をPRし、選ばれる温泉地として頑張りたい」、事業に反対してきた塩原温泉旅館協同組合の田中三郎(たなかさぶろう)理事長も「実施は本意ではないがノーサイド。今後は市長と一丸で進んでいく」などと話した。