早く通り過ぎようと気を使っているのか、速度を上げる車もある。夕方の退勤時間帯ともなれば、右から左から10台、20台と通過していく。数えるのが癖になってしまった。宇都宮市の本社前の現状だ▼信号機のない横断歩道で歩行者の横断を優先させない「まだまだ止まってくれない」。県警や県の取り組みの効果で全国ワーストは抜け出したが、まだ十分に浸透しているとは言えない▼怖いのは、それに慣れている歩行者としての自分がいることだ。では他県の人は、本県の交通事情をどう見ているのか。先日の県少年の主張発表県大会の発表で、宇都宮市陽西中3年の川上蒼海(かわかみそうみ)さんが、その疑問に答えてくれた▼川上さんは昨年、福島県から同市に転居してきた。自転車通学を始め、ある日、一時停止の標識を無視して飛び出してきた車と接触しそうになった。以来、交通量の少ない時間帯を選んで通学するため、いつも教室に一番乗りするという▼交通に関わるさまざまな情報を聞くうちに感じた「あまりに自己中心的な人が多い」は耳に痛い。解消に向け「他者への思いやりをみんなが少しずつ持てば」と期待する▼移住や観光など、県外からの人の流れの促進が望まれる昨今、「止まってくれない」が「選んでくれない」原因になっては困る。川上さんの提言を心に刻みたい。