新型コロナウイルス感染拡大の影響で、栃木県と県内23市町が財政悪化を見込んでいることが、26日までに共同通信のアンケートで分かった。多くの市町が経済活動の停滞などによる税収減を想定している。財源確保に向け、貯金に当たる財政調整基金の取り崩しや不要不急事業の延期・凍結などを迫られている市町もあり、行政サービスの低下が懸念される。

 アンケートは8~9月、全国の自治体を対象に実施し、本県は県と23市町が回答。野木町と那珂川町は期限までに回答がなかった。

 本県では回答した全自治体が、財政の「悪化が見込まれる」と答えた。宇都宮市は「市税収入をはじめとする自主財源の大幅な減少が見込まれる」、那須町は「固定資産税と観光地の重要財源である入湯税が大幅な減収となる見込みだ」と答えた。住民税や法人税の徴収猶予件数が増えていると指摘した市町もあった。

 政府は自治体支援として総額3兆円の地方創生臨時交付金を創設し、各自治体が新型コロナ対策の財源に充てた。茂木町は同交付金の活用により「極端な財政への影響は現時点ではない」としたが、「地方交付税などの減額によっては大きく悪化する可能性がある」と懸念した。

 ただ臨時交付金では財源を賄いきれず、栃木市、佐野市などは財政調整基金を取り崩した。鹿沼市やさくら市なども今後の取り崩しを想定しており、財源確保には各自治体が苦慮している。

 本年度事業を見直す市町も多く、日光市は「緊急性のないもの、現在効果が見込まれないものなど不要不急と思われる事業の削減」を実施している。

 このほか大田原市などは市長ら特別職の給与を一部カット。矢板市は職員の長時間労働抑制などで人件費を削減したほか、保留地の売却促進により財産収入の増加を図っている。コロナ対策基金の創設で寄付を募る自治体もあった。

 国に対しては、臨時交付金の追加や地方交付税の増額を求める意見が大半を占めた。小山市は「必要な行政サービスの維持のためにも、減収分を地方交付税に反映させるなど地方交付税の増額を検討してほしい」と強く求めた。

 アンケートは全国1788自治体のうち1576が回答。9割近くの1385が財政の「悪化が見込まれる」と回答した。