柏崎さんが1人で運営する大谷石を活用したライブハウス

 【宇都宮】大谷石の石蔵を活用した吉野1丁目のカフェ&ライブハウス「悠日」が存続の危機に陥っている。過去には著名なアーティストも利用していたが、新型コロナウイルスの影響でこの春から予約がほぼ入らなくなった。知人の音楽家が支援する動きもあり、オーナーの柏崎健次(かしわざきけんじ)さん(68)は「今まで積み上げてきたものを残したい」と前を向く。

 ライブハウスは大谷石を活用した幻想的な空間が特徴で、10年ほど前に開業。市出身のサックス奏者渡辺貞夫(わたなべさだお)さんやシンガー・ソングライターのaikoさん、岡本真夜(おかもとまよ)さんら著名人も利用した。

 しかし新型コロナの影響で3~8月の予約は1件のみに。客入りが減って隣接施設のギャラリーは6月に閉業、カフェも10月末には営業を縮小するという。

 加えてライブハウスを1人で運営する柏崎さんは昨年夏に脳梗塞を患っており、今も指先が不自由な状態。新たに動画投稿サイトでライブを配信するにも音響、カメラの切り替え、照明などさまざまな仕事を1人でこなすのは難しかった。

 「このままでは10月まで持たない」。柏崎さんの独り言を聞いた知人の音楽家2人が8月、支援を開始。ボランティアとしてライブ配信時の照明や撮影の仕事を手伝っている。クラウドファンディング(CF)も始め、CFサイト「CAMPFIRE」で10月下旬まで運営資金を募っている。

 柏崎さんは「さまざまな人が利用した大谷石の空間がなくなるのはもったいない。できる限り多くの人に使っていただけるように頑張りたい」と話している。