真夏のような暑さとなった梅雨入り前のある日、小山市役所でネパール人の男性に声を掛けられた。地図を手に、日本語で「20万円。ローン」と繰り返す。市社会福祉協議会へ緊急小口資金の申請に行きたいが、行き方が分からないらしい。熱中症を心配し、車に乗せて目的地に案内した。

 「COVID-19のせいで大工の仕事を失った。来月からの生活費にするんだ」。男性は車中でこう話していた。その後、外国人支援に関する取材をするたび、このネパールなまりの英語を思い出す。

 小山市には現在、約70カ国約7千人の外国人が暮らす。市は外国人にも暮らしやすいまちづくりの一環として、8月に広報誌などを10言語に自動翻訳してスマートフォンやパソコンで読めるウェブツール「カタログポケット」を導入した。

 日頃から「言語の壁」がつきまとう外国人に、新型コロナウイルスが追い打ちを掛ける。感染状況や支援策などの情報収集ができるかどうかは彼らにとっても死活問題だろう。カタログポケットが良い「道案内役」になれるよう、期待したい。