日光市今市図書館に掲示してある「電子図書館」を周知するポスター=今月上旬、日光市中央町

高根沢町電子図書館のホームページ=今月上旬、高根沢町宝積寺

日光市今市図書館に掲示してある「電子図書館」を周知するポスター=今月上旬、日光市中央町
高根沢町電子図書館のホームページ=今月上旬、高根沢町宝積寺

 県内の多くの公立図書館で電子書籍の貸出件数が増加している。コロナ禍の中、図書館へ行かずに借りられる便利さなどが要因という。1カ月間の貸出件数が前年比10倍以上に伸びた図書館も。電子書籍を扱う「電子図書館」を持つ自治体は県内で5市町だが、導入へ向けた動きも出始めている。

 電子図書館は、電子データ化された本をスマートフォンやタブレット端末向けに貸し出すサービス。印刷会社などでつくる電子出版制作・流通協議会によると、県内では7月1日時点で高根沢、大田原、さくら、日光、那須塩原の5市町が実施している。

 高根沢町は電子図書館の貸出件数が多い月でも30件ほどだったが、今年3~5月は毎月100件以上になった。町図書館は新型コロナウイルスの影響で2月末~5月末まで休館し、この間に電子図書館の利用が増えた。特に4月は141件で前年(11件)と比べて約13倍に。特に小説、旅行のガイドブック、絵本が人気を集めている。

 高根沢町図書館の阿久津律子(あくつりつこ)館長(60)は「こんなに増えて驚いた。図書館としても、とてもうれしい」と手応えを感じている。

 日光市電子図書館では、4月の貸出件数が前年同月比5・6倍、5月7・6倍、6月6・1倍、7月4倍と急増した。市内の三つの図書館は新型コロナウイルスの影響で4月中旬から5月中旬に閉館した。電子図書館を初めて利用する際の手続きはこれまで窓口で行っていたが、閉館を受けて電話でできるように変更。利用者の新規登録数も前年を上回るペースになっている。

 図書館再開後も、電子図書館の貸出件数は200件以上と前年より多く推移している。市今市図書館の大島(おおしま)かおり館長は「電子図書館の利用が定着してきたと思う。旅行ガイドブックを自宅で読んで旅行気分を味わったりして、ぜひ活用して頂きたい」と呼び掛けている。

 さくら市でも、4月から7月の貸出件数が前年同月比でそれぞれ約2~9倍に。今年7月に電子図書館を始めたばかりの那須塩原市も、同月の貸出件数は「思ったより多かった」(担当者)という。

 一方、真岡市は感染拡大防止などの観点から電子図書館導入へ向けて準備を進めており、21年1月の貸し出し開始を予定している。