撮影を行った3Dレーザースキャナーと橋本会長(左)。奥の建物は杏壇門と大成殿

 栃木県土地家屋調査士会による史跡足利学校の3D・VR(仮想現実)撮影が16日、栃木県足利市昌平町の同学校で行われた。国史跡構成建物の大成殿(孔子廟(びょう))を中心に、建物を最新の3Dレーザースキャナーなどで撮影して座標データ化して記録するほか、大成殿などを巡るVR動画を作る。データとして完成させ、11月ごろ、市へ無償提供する予定だ。

 同会が土地家屋調査士制度制定70周年記念事業として取り組み、県内に残る貴重な建造物の中から日本最古の学校として知られる同学校を選んだ。将来の登記制度を考えるきっかけにするのが狙いだが、2019年のパリ・ノートルダム大聖堂火災、首里城(那覇市)火災などでは座標化したデジタルデータが復元に活用されており、こうした役割も期待できるという。

 会員19人が参加。会員が操縦する小型無人機ドローンで上空約40メートルから敷地全体を撮影したほか、ライカジオシステムズ社の協力で3Dレーザースキャナーで大成殿などを収めた。スキャナーによりミリ単位で記録できるという。

 VR動画は入徳門、学校門、杏壇(きょうだん)門をくぐり大成殿を見学する順路で編集する予定。同会によると、インターネットで公開するなどして観光資源としての活用も見込める。

 貴重な建造物の3D・VR撮影は70周年事業として日本土地家屋調査士会連合会の各会が各地で実施している。県土地家屋調査士会の橋本伸治(はしもとしんじ)会長(58)は「未来の子どもたちに残す財産になる。座標化することの素晴らしさを伝えたい」と話した。