風呂が沸いたと思って飛び込んだら、下の方はまだ冷たくて、震え上がった-。一定以上の年齢の人なら一度はこんな経験をしたことがあるだろう▼実は今、地球上の海のあちこちでこれと似たようなことが起こっているという話を聞いた。原因は二酸化炭素(CO2)などが引き起こす地球温暖化だ。温暖化が進むと表面近くの海水温度がどんどん高くなり、やや深い場所の海水と混ざりにくくなる▼表層近くだけが高温になった海では、水が混ざりにくくなることに加え、生物の呼吸が盛んになることで海の生物にとって無くてはならない酸素の量が減ってしまうという▼最新の研究によると、温暖化が進んだ結果、過去50年で海の酸素の量は約2%減った。場所によっては、さらに酸素の減少が激しい海域もある▼このまま温暖化が進むと海の酸素はどんどん減り、それとともに生き物が暮らしにくい海域も増えてゆくと心配されている。特に、マグロやカジキなど海の中を高速で泳ぎ回る大型の魚が酸素濃度減少の影響を受けやすいそうだ▼海の環境はそれでなくても危機的な状況にある。残念ながら上の方と下の方とで水温が大きく違っているからといって、誰も世界中の海をかき回してはくれない。人類にできることは、CO2の排出量を可能な限り早く減らすということだけだ。