今春閉校した那須海城中・高校 思春期まっただ中を記録 梅佳代さんの写真集「ナスカイ」出版

今春閉校した那須海城中・高校 思春期まっただ中を記録 梅佳代さんの写真集「ナスカイ」出版

 今春、21年の歴史に幕を下ろした那須高原海城中学・高校の日常を写真家梅佳代(うめかよ)さんが切り取った写真集「ナスカイ」が出版された。全国でも数少ない中高一貫の全寮制男子校として600人を超す生徒を送り出した同校は、東日本大震災の影響で東京都多摩市に移転し、最後の卒業生8人が卒業するのに伴って閉校。写真集からは、思春期まっただ中の男子の純粋さと成長の様子が伝わってくる。

 収められているのは、授業や寮の部屋、体育祭、文化祭、卒業式などで澄ましたり、はにかんだり、笑顔を見せたり、「おバカなポーズ」を決めたりしている生徒たち。梅さんは「子どもと大人の間で自意識過剰になっているのを見るのがめっちゃ面白い。何回も会っているはずなのに毎回初めて会ったようなリアクションで、そういう感じって大人には絶対ない」と語る。

 震災前の10年、梅さんは若手美術家グループの一員として同校を取材したことがあった。キャンパスが多摩市に移転した後、生徒たちのポートレートをネット上で紹介する連載企画で再訪し、連載終了後も定期的に訪れて生徒たちを撮り続けた。

 撮影を受け入れた理由について、当時の教頭で現在は海城学園法人事務局に勤める塩田顕二郎(しおだけんじろう)さん(44)は「さすらいの生活になっていた生徒たちの張り合いになればいいと思った。保護者も生徒も協力的なので、嫌だという人はいないと感じていた」と説明する。

 15年に卒業した宇都宮市出身の渡邉一平(わたなべいっぺい)さん(21)は「人数が減った分、文化祭もスケールダウンするはずなのに、いなくなった分まで頑張っちゃう。ずっと働きづめで疲れて寝ているところが写真集に載っています」と笑う。