バスから降りる福島県郡山市の中学生を拍手で出迎える地元の観光関係者ら=9日午後、那須町高久丙

修学旅行で東武ワールドスクウェアを訪れた福島県郡山市の中学生=1日午後、日光市鬼怒川温泉大原

バスから降りる福島県郡山市の中学生を拍手で出迎える地元の観光関係者ら=9日午後、那須町高久丙 修学旅行で東武ワールドスクウェアを訪れた福島県郡山市の中学生=1日午後、日光市鬼怒川温泉大原

 新型コロナウイルスの影響で多くの小中学校が修学旅行を春から秋に延期する中、今月に入り、県内を訪れる修学旅行が本格化している。感染リスクを踏まえ、行き先を関西や首都圏から那須や日光に変更した学校が増えている。コロナ禍で打撃を受ける観光地にとって大きな下支えとなるが、感染状況次第で急きょ中止になるケースもあり、先を見通せない状況が続く。

 9日夕。那須町高久丙のホテルエピナール那須の玄関に地元の観光事業者らが並び、次々と到着するバス10台を拍手で出迎えた。降りてきたのは福島県郡山市の郡山第五中の3年生計180人。

 同ホテルでは9~11月に約50校の予約が入っている。例年は一般客でいっぱいのため、この時期の修学旅行の受け入れは初めて。須田秀之(すだひでゆき)総支配人(43)は「夏休みが短く、リゾート地としては厳しかったのでありがたい」と徹底した感染対策で迎え入れる。

 児童生徒にとっても、ようやく実現した修学旅行。9日に同町高久乙の那須ハイランドパークを訪れた同県新地町尚英中3年柴田七楓(しばたななか)さん(14)は「計画していた都内での修学旅行がなくなったのは残念だけど、逆にいい思い出になる」と笑顔を見せた。

 同ホテルと同パークが加盟する「那須地区ホテル&レジャー施設連絡協議会」は7月上旬、東北地方などで誘客活動を始めた。11月にかけて計2万人の来訪を予定しており、協議会の集客実行委員会大輪洪一(おおわこういち)委員長(50)は「今まで那須になかった光景が見られる」と期待する。

 日光市にも児童生徒の姿が戻ってきた。日光東照宮によると、8月下旬から修学旅行生が増加。鬼怒川温泉大原のテーマパーク「東武ワールドスクウェア」にも今月に入り来訪が増えた。今月1日に1泊2日で日光、那須を訪れた同県郡山市日和田中の佐藤勝次郎(さとうかつじろう)教諭(62)は「実施が決まったのは前日。日光、那須とも2週間以上感染者が出ておらず、施設の感染対策もしっかり取られていた」と説明する。

 ただ、予約の変動は激しい。全国的な感染再拡大に伴い、夏以降、修学旅行自体の中止が相次いだ。鬼怒川温泉郷の「きぬ川ホテル三日月」では一時、9月の修学旅行の予約が約8千人に上ったが、現在は前年同月を上回るものの2千人以下。営業主任山谷聡(やまやさとし)さん(50)は「キャンセルはやむを得ない。引き続き徹底した感染対策をアピールしていきたい」と話す。