市役所の窓口に置かれた自殺予防の啓発グッズや相談先のチラシ

 【真岡】市は自殺防止に向け各種施策を推進する「市自殺対策計画」を策定した。「誰も自殺に追い込まれることのない真岡市の実現」を基本理念に、自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)を2015年度の13・5人から計画最終年の23年度に10・3人へ30%の減少を目指す。自殺の危険を示すサインに気付き、関係機関などへ適切に引き継ぐ人材の育成を目的にしたゲートキーパー(門番)の養成講座も10月下旬に初めて開く。10日から自殺予防週間。

 市社会福祉課によると、17年までの5年間の自殺者は年間11~14人で推移。例年女性よりも男性が多く、16年は男性のみ11人、17年は男性8人、女性5人などだった。17年の自殺死亡率は16人となっている。

 13年から17年までの男女別の自殺死亡率合計を年代別で見ると、男性は20代と70代が県や全国を上回り、女性は各年代とも県や全国と同程度か下回った。職業別では会社員などの「被雇用者」や「年金受給者」「その他の無職」が多く、原因・動機別は「健康問題」が最多で「経済・生活問題」「家庭問題」と続いた。

 市は市内の自殺者の特徴について、60歳以上の無職者が失業による生活苦や介護の悩み、自身の病気で自殺に至ったケースが最も多いと分析。重点施策の第1番目に「高齢者の自殺対策の推進」を掲げ、自殺リスクの早期発見や孤立の予防、社会参加の促進に取り組む。

 子ども・若者と生活困窮者の対策推進も重点施策に位置付け、学校・地域の連携や支援体制の強化、公的助成制度の利用勧奨などに注力する。

 市は16日までの自殺予防週間に、市有施設の窓口に啓発グッズなどを配るほか、市内の小学6年生を対象に防止対策のパンフレット約1千部を配布する。

 国は16年の改正自殺対策基本法で地方自治体にも計画の策定を求めており、県障害福祉課によると19年度に真岡市など7市町が策定を終え県内全25市町で計画が立案された。