結果的に最後の開催となった昨年の黒羽矯正展=2019年11月23日、大田原市寒井、黒羽刑務所

結果的に最後の開催となった昨年の黒羽矯正展=2019年11月23日、大田原市寒井、黒羽刑務所

結果的に最後の開催となった昨年の黒羽矯正展=2019年11月23日、大田原市寒井、黒羽刑務所 結果的に最後の開催となった昨年の黒羽矯正展=2019年11月23日、大田原市寒井、黒羽刑務所

 2022年3月で廃止される大田原市寒井の黒羽刑務所は8日までに、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、受刑者の作業製品を展示即売する「黒羽矯正展」を今年は開催しないことを決めた。閉庁に向けた組織体制縮小などにより現時点では来年度の実施予定はなく、毎年1万人前後の来場者でにぎわってきた同展は昨年の36回目を最後に幕を下ろすことになりそうだ。地元住民からは残念がる声も出ている。

 同展は1984年から毎年11月23日の「勤労感謝の日」に開催。昨年は同刑務所をはじめ県内外の9刑務所が出店し、受刑者の作業製品約1万3千点を安価で展示即売。約9600人が来場し、同刑務所独自の製品「日光彫」のたんすや、「くまモン」の貯金箱などは好評だった。

 受刑者の食事と同じ内容のカレーやコッペパンも早々に売り切れた。刑務所内の見学には1710人が参加し、作業工場や舎房、大浴場などを見て回った。

 しかし今年の実施に関して同刑務所の林克士(はやしかつし)所長は「矯正行政に対する社会の理解を得るため毎年開催し、多くの方に来場いただいていたが、新型コロナ感染拡大防止の観点から、開催しないことを決断せざるを得なかった」と説明。

 その上で「22年3月で役割を終えることから、本年が最後の黒羽矯正展だったので、開催できず、とても残念でならない。一日も早い新型コロナの収束を願うばかりです」としている。

 同市寒井、パート花塚広子(はなつかひろこ)さん(43)は「この地域での1年のうちの一大イベント。子供用のいすなど製品はしっかりしていた。毎年、行っていたが、なくなると寂しい」。

 オープニングセレモニーに園児が出演してきた黒羽幼稚園の栗田英子(くりたひでこ)園長(60)は「保護者には刑務官もおり、園児たちは、年長になって刑務所で歌や合奏を披露することが憧れだった。みんながっかりしている」と残念がっていた。