宴会場に設置された空気清浄機。会合中、10台がフル稼働した=2日午後、宇都宮市西原町

 新型コロナウイルスの感染拡大が、宴会を収益の柱とする栃木県内のホテルの経営に大打撃を与えている。3月以降、歓送迎会や団体の総会、懇親会などの開催がなくなったためだ。小規模な会合が戻り始めたホテルもあるが、コロナ禍前の水準まで回復する見通しは立っていない。「いつまでこの状況が続くのか」。各ホテルは不安を抱えつつ、感染防止策を強化して営業を続けている。

 宴会場の壁際に、等間隔で空気清浄機が並んでいた。宇都宮市西原町の宇都宮グランドホテルで2日に開かれた宇都宮陽東ロータリークラブの例会。20畳用の空気清浄機10台は会合中、フル稼働した。

 「空気を循環させる意味でも有効では。見た目にも安心だ」。同クラブの上野裕之(うえのひろゆき)会長(72)は対策を歓迎した。

 同ホテルは7月、計110台の空気清浄機を導入し、10ある宴会場と58室の全客室に配置した。小林博昭(こばやしひろあき)副社長(59)は「空間除菌の方法を検討した結果、これがベストだと判断した」と説明する。

 宴会と宿泊の売り上げ割合が8対2という同ホテル。歓送迎会や総会などが集中した3~6月の予約は全てキャンセルとなり、売り上げは例年の半分以下に激減した。

 7月から日中の会合が徐々に戻ったが、夜は依然として「ほぼゼロ」が続く。通常より広い会場を提供するなど感染防止対策を講じており、小林副社長は「安心安全を地道にアピールするしかない」と語った。

 小山市神鳥谷の小山グランドホテルも3月以降、20人以上の宴会がなくなり、売り上げは前年比8~9割減となった。

 館内の消毒や客の検温など対策を徹底しているが、伊藤憲(いとうけん)支配人(62)は「暑気払いといった夏の需要も限定的でどうにもならない」。年末に向けて忘年会シーズンが控えるが、「予約をキャンセルされる恐れもある。見込みは厳しい」と不安は尽きない。

 感染拡大のリスクから、主催イベントにも及び腰にならざるを得ない。宇都宮市大通り2丁目のホテルニューイタヤは歌手らをゲストに迎えたディナーショーが人気だが、今後の予定は白紙だ。担当者は「感染を恐れてお客さまが集まらない」と苦悩する。売り上げ増のためには積極的なイベント企画が必要だが「動くに動けない。じくじたる思いだ」と胸中を明かした。