ほ乳瓶を使って子猫に授乳する鈴木院長

 【宇都宮】殺処分ゼロを目指し、市保健所に収容された子猫を市内動物病院がボランティアで引き受け、人工授乳で育てる取り組みが3年目を迎えた。協力する獣医師は「命を助けたい」と使命感を口にする一方、子猫を捨てる人が後を絶たないことから、「生まれてしまったからといって安易に捨てるのではなく、責任を持って飼い主を探してほしい」と訴えている。

 ミュウ、ミュウ。か弱い声を上げてケージの中をよちよちと歩き回る子猫たち。下岡本町のアルゴ動物病院の一室。「かわいいでしょう」。鈴木一郎(すずきいちろう)院長(71)が目を細めた。

 同病院は、市保健所が取り組みを始めた2018年度からミルクボランティアとして協力。体重200グラムほどの子猫を預かり、数週間かけて人工授乳で育てた後、市保健所に戻し、譲渡につなげている。

 1回に預かる数はおおむね3匹で、最低でも1日4、5回、哺乳瓶でミルクを飲ませたり、排せつを介助したりする。体調管理に細心を払うため「休診日も置いて出掛けることはできない」

 本年度からミルク代は市が負担しているが、ペットシーツや離乳食代、医療費などの飼育費は、病院の持ち出し。それでも、鈴木院長は「放っておけば死んでしまう。何とかして助けたい。その一心」と明かす。