洋風の客室に改修される予定だった豪農屋敷の離れの内部

 栃木県小山市は4日までに、下国府塚(しもこうつか)の豪農屋敷を古民家ホテルとして改修する計画を見直す方向で検討に入った。市の農泊推進事業の柱の一つとして農林水産省の補助金を申請し進めていたが、新型コロナウイルス禍で採算が見込めなくなったため。今後、同省や地元関係者と協議しながら新たな活用方法を検討し、月内にも方向性を出したい考えだ。

 浅野正富(あさのまさとみ)市長は8月7日の就任後の記者会見で、市が取り組む事業のうち採算性に問題があるものなどは見直す考えを示していた。

 古民家ホテル計画は昨年度、築400年以上と推定される木造平屋の豪農屋敷を、市が出資する道の駅思川の運営会社「小山ブランド思川」が取得し、本年度の開業を目指して設計作業に着手した。総事業費は約1億5千万円。このうち国の補助金が5千万円で、残りを同社が負担する予定だった。

 当初は母屋と離れに計10室の洋風客室を備えたホテルとして大幅に改修する計画だったが、伝統建築の良さを残してほしいとの地元関係者の要望を受け、客室を5部屋に減らす設計変更を行い、計画の1年延長が決まった。

 ところが新型コロナウイルスが発生し、当てにしていたインバウンド(訪日観光客)需要は激減。関係団体で構成する市農泊推進協議会(会長・浅野市長)が8月25日に開かれ、再検討が必要との認識で一致したという。

 市総合政策課移住定住交流推進室によると、農村にちなんだ体験やイベントを実施できる交流施設とする案や、宿泊機能を一部残す案も出ている。今後、地元関係者を交えた担当者会議で検討する。

 一方、ホテル整備を前提に申請した国の補助金を引き続き活用できるかどうか、農水省との協議も進める。同室は「9月中に結論を出し、来月には協議会の承認を得たい」としている。