舌磨きのやり方

佐川徹三副会長

舌磨きのやり方 佐川徹三副会長

 新型コロナウイルスの感染予防として手指消毒の徹底が呼び掛けられているが、口の中のケアも重要だ。口腔(こうくう)内が不衛生な状態だと、新型コロナウイルスに加え細菌性肺炎も発症し、重症化のリスクが高まる。栃木県歯科医師会の佐川徹三(さがわてつぞう)副会長(67)に、口腔内のケア方法などを聞いた。

 成人の口の中には、歯をよく磨く人で1~2千億個、あまり歯を磨かない人は4~6千億個、さらにほとんど磨かない人の場合は1兆個の細菌がすみついているといわれる。

 新型コロナウイルスに感染すると、肺の免疫力が低下する。こうした状態で口腔内の細菌が肺に入ると「コロナウイルスによる肺炎とは別に、細菌による誤嚥(ごえん)性肺炎も引き起こすこともある」(佐川副会長)という。

 口腔内を清潔に保つためには、歯磨きと合わせて「舌磨き」を実践するのがお勧めだ。

 人の舌の表面には舌苔(ぜったい)と呼ばれる汚れが付着している。舌の表面の細かい突起に、食べかすや粘膜などがたまったもので、細菌の温床になりやすい。

 普段でも、舌苔の細菌は少量が肺の中に入り込んでしまう。健康な人はほとんど問題ないが、何らかの理由で免疫が低下していたり、舌苔が分厚くなって多量の細菌が入ったりすると、誤嚥性肺炎のリスクを高めてしまう。

 汚れを取り除くために舌を磨く時は、舌の中央部分に専用の舌ブラシを置いて、手前にかき出すようにして5回ほど動かす。専用のブラシがない場合は、普通の歯ブラシで優しく丁寧に行う。吐き気を催す場合は、舌の先から磨き始める。

 介助者が高齢者の口腔内をケアする場合は、まず歯や舌の状態をよく見てから歯磨きや舌磨きに取りかかる。感染予防の観点からマスクなどを着用し、唾液の飛散にも気を付けよう。

 佐川副会長は「歯磨きだけでなく舌磨きもこまめに実践し、口の中を清潔に保ってほしい」と呼び掛けている。