滝つぼの調査を行うNPO法人メンバ-=3日午後、矢板市下伊佐野

おしらじの滝つぼのイメージ

滝つぼの調査を行うNPO法人メンバ-=3日午後、矢板市下伊佐野 おしらじの滝つぼのイメージ

 栃木県矢板市下伊佐野の「おしらじの滝」で8月、滝つぼに飛び込んだ男性2人が死亡した水難事故で、低い水温や滑りやすい水中環境が事故を誘発した可能性があることが3日、NPO法人「川に学ぶ体験活動協議会」(東京都北区)の現地調査で分かった。事故当時の水深は約2メートル。比較的浅い河川や湖沼でも、正しい知識を持って活動しないと命を脅かす危険性があることが浮き彫りになった。

 国と連携し、川の活動の指導者育成に実績のある同協議会は3日、関係機関と調整の上、指導者育成の事例研究として現地調査を実施。会員4人が、水中をカメラで撮影したほか、水温計測や事故当時の再現などを行った。

 同協議会によると、この日の滝つぼに注ぐ湧き水は最低で約9.8度。おしらじの滝はめったに滝が流れることがなく、事故当日も滝は流れていなかった。このため流れがない時、水面以外の大部分は10度ほどだったと推定される。

 同協議会の斉藤隆(さいとうたかし)事務局長(50)は「冷水に飛び込むと筋肉が硬直し、呼吸が浅く速くなり水を飲み込みやすく、混乱して溺れたとも考えられる。流れがない分、(水中の温度が上がらず)リスクになった可能性がある」と分析した。

 調査では、滝つぼがすり鉢状で、側面に藻類の付着があるなど滑りやすい環境だったことも判明。溺れると、水の上まで上がりにくい状態だったとみられる。斉藤事務局長は「(2人が)同時に飛び込むのはどんな場所でも危険。溺れかけた方がしがみつき、2人とも溺れてしまう可能性もある」と警鐘を鳴らした。

 おしらじの滝では8月18日夕方、群馬県から訪れた少年(18)と男性(23)が水面から高さ約30センチの岩の上から滝つぼに足から飛び込み溺れた。知人の女性が110番したが、駆け付けた消防隊員が心肺停止状態の2人を発見、搬送先の病院で間もなく死亡した。死因はいずれも溺死だった。