漬けダレで味付けされたネギトロ丼。ポテトサラダなどの小鉢が付くのもうれしい

ネギトロ丼を作る本間さん

本間秀男さん

漬けダレで味付けされたネギトロ丼。ポテトサラダなどの小鉢が付くのもうれしい
ネギトロ丼を作る本間さん 本間秀男さん

 玄関先に赤提灯(ちょうちん)が提がる「昭和」な大衆酒場。引き戸を開けると、店主の本間秀男(ほんまひでお)さん(79)が笑顔で迎えてくれる。

 「毎朝3時にバイクで豊洲市場に行き、安くて活きのいい魚を仕入れてます」。お薦めは本マグロを使ったさまざまな料理。赤身や中落ち、中トロ、漬け丼などのメニューが並ぶ。ネギトロ丼(850円)は漬けダレで味付けされている人気の一品。お客さんから評価が高いポテトサラダなどの小鉢が付くのもうれしい。

 マグロカツも食感や脂、うま味が絶妙で注文する客は多い。「マグロ1匹から2個しかとれないほほ肉を使い、レアで味わってもらってます」

 高根沢町出身の本間さんは中学卒業後に上京し、錦糸町の「栃木屋酒店」に奉公に出た。ホテルや飲食店の調理場に顔を出すうち「料理をやりたい」という思いが強くなり、妻の珠代(たまよ)さん(78)と1978年に店を開いた。「当時は午後4時ごろには店がいっぱいになってね。3回転くらいしましたよ」と懐かしむ。

 タクシーの運転手の声に応えて早朝営業を始め、コロナ禍以前は夜中でも電話があれば店を開けたという。「お客さんに喜んでもらえるのがうれしい。あの店に行って良かったと思って帰ってほしい」。気さくで朗らかな2人の温かい接客も酔客の心をつかんでいる。

 メモ 江東区住吉1の13の13。電話03・3634・8260。午前5時~午後8時(休憩あり)。不定休。

■店主の思い

 「一食抜いても義理欠くな」が信念なんです。年末には栃木に帰って、小中学校時代の2人の恩師にマグロなどの鮮魚を届けてました。もう亡くなってしまったけど、そうした交流が楽しかったですね。