便失禁、一人で悩まないで 放置しても改善せず「早めの受診を」 栃木県内専門医がアドバイス

 無意識に便を漏らしてしまう「便失禁」。代表的な原因は肛門を締める肛門括約筋の機能低下で、加齢により筋力が落ちる高齢者に多いが、20代でも悩む人がいる。昨年10月に排便機能外来を設置した宇都宮肛門・胃腸クリニック(宇都宮市)の下地信(しもじしん)医師は「羞恥心から誰にも相談できずにいる人が多い。外出せずに社会性が失われたり、うつ状態になったりして深刻な影響をもたらす」と指摘する。

 正確な患者数は不明だが、国内では60代以上の男性の約8・7%、女性の約6・6%が悩んでいるとの報告があり、身近な疾患だと言える。

 治療は便を固める薬の服用がメインで、患者の8割が改善する。投薬治療で効果がなかった患者や投薬以外の改善方法を望む患者には、括約筋を鍛えて改善する「バイオフィードバック(BF)療法」がある。

 下地医師は「放置しても改善せず、むしろ加齢とともに悪化することがある。一人で悩む期間を長くしないためにも、早めに専門医療機関を受診してほしい」と話している。