ストレスがさまざまな病気を引き起こすことはよく知られている。免疫力が下がるからだ。運動やバランスの取れた食生活に加え、笑うことも強い体づくりには必須だという。コロナ禍でしかめっ面になりがちな毎日だが、せめて笑顔を心掛けたい▼宇都宮市内で一流の高座を提供しようと活動を続ける宇都宮落語会が先日、2月以来となる定例会を再開した。完璧に密を防ごうと、いつもの県総合文化センターサブホールから大ホールに変更し、検温、手指の消毒も徹底した▼冒頭、あいさつした代表の青木敬信(あおきたかのぶ)さんは「不要不急は見合わせるようにとのお達しだが、落語は不要不急ではない。暮らしに欠かせない大切なもの」と感慨深げに語った▼60回の節目となった定例会の演者は、現在の落語界きっての爆笑派と称される柳家権太楼(やなぎやごんたろう)さんだ。まくらのネタもコロナ関連で「山口の落語会が中止になったが、主催者がふぐ料理に招待したいと。でも料亭から断られた。東京の客はふぐ毒より怖い」▼この日の演目は人情話の「唐茄子(とうなす)屋政談」と滑稽話の「青菜」。江戸情緒たっぷりの巧みな話芸に200人の観客はマスク越しに笑ったりほろりとしたり▼笑いには病気の予防だけでなく脳を活性化する働きもあるという。落語の登場人物である与太郎にこそ落語は必要不可欠なようだ。