県内の献血バスの会場。コロナ禍の中で血液を確保する努力が続く=今月中旬、栃木市大町

 新型コロナウイルスの感染拡大で国が緊急事態宣言を出した4月、本県の400ミリリットル献血の協力者数が、需要予測を基にした計画人数を上回り、達成率は全国で最も高かった。外出自粛をする人が増え、企業も集団献血を控えたため、全国40都道府県では軒並み計画人数を下回った。県赤十字血液センターは「コロナ禍で献血者数が減る危機感を理解してくれた県民のおかげ。特別な対策をしたわけではなく、地道な努力を積み重ねた結果」と感謝している。

 日本赤十字社の統計によると、4月の本県の献血者数は7604人で、19年4月より18・7%増えた。このうち、需要の高い400ミリリットル献血が4600人に上り、達成率は110・1%となった。200ミリリットルは311人、成分献血2693人だった。施設別でもセンター(宇都宮市今宮4丁目)、献血ルーム(宇都宮市大通り2丁目)、献血バスともに前年を12~26%上回った。

 献血を巡っては、白血病と闘う競泳女子の池江璃花子(いけえりかこ)選手が3月、ツイッターで「献血の激減により、不安な日々を過ごしている方もいます」と発信し、協力を呼び掛けた経緯がある。

 外出控えや在宅勤務の増加、大学の休校、催しの中止など、4月は新型コロナの影響が深刻化した時期。センターは献血者数の減少を憂慮していた。

 このため対策として、キャンセルになった献血バス約40台を商業施設などに振り分けたほか、ここ数年の献血協力者にはがきやメールを送り、自治体や企業、団体への声掛けと依頼を丁寧に積み重ね、危機感を共有した。

 東京などへの通勤者が在宅勤務になり、県内で献血する例もあったという。最近は地域の消防団が協力する動きも出ている。献血会場では、感染防止対策を徹底しているという。

 全国の4月の達成率は88・4%と大きく落ち込み、本県以外の関東の都県も全て達成率100%を下回った。東京都は74・4%と全国最低だった。

 一方、本県は5、6月も達成率が120%を超えており、コロナ禍の中で奮闘している。

 センターの渡辺進(わたなべすすむ)事業部長(56)は「献血不足が広く報道されたこともあり、栃木県では多くの人が応じてくれた。ただ、感染の状況次第で先行きは不透明。継続的な協力をお願いしたい」と呼び掛けている。