唾液検体を使った抗原検査のリハーサルを行う県保健衛生事業団の職員=28日午後、宇都宮市駒生町

 新型コロナウイルス感染への不安を取り除こうと、公益財団法人「県保健衛生事業団」は9月1日から、無症状者を対象に、感染の有無を調べる抗原検査とPCR検査を導入する。いずれも唾液を使った検査で、抗原検査は即日結果が分かる。検査の依頼は県内自治体や企業、各種団体を通じて受け付ける。最大処理数は、抗原検査が平日1日100件、PCR検査は同30件という。

 28日午後、宇都宮市駒生町の同事業団検査室。一般向けの検査開始を前に、リハーサルが行われた。

 防護服とフェースシールド姿の臨床検査技師が、職員14人分の唾液検体から不純物を取り除く。感染の有無を測定する装置にセットすると、1時間ほどで結果が出た。全員陰性だった。

 検査を受けた集団健診部の永井充洋(ながいみつひろ)部長(53)は「スムーズに結果が分かった。唾液の採取も簡単」とほっとした表情を見せた。

 抗原検査は、ウイルス特有のタンパク質を調べる検査。唾液検体による無症状者への検査は厚生労働省が7月から認めており、空港検疫などで活用されている。これを受け、同事業団も自主的な検査の受け皿を構築することにした。費用は抗原検査が1件税別9500円、PCR検査は同2万2500円。不特定多数の人と接する職種などの利用を見込んでいるという。

 検査の流れは、同事業団が事前に予約した企業や団体などに対し、人数分の検体採取用のプラスチック容器を送付する。各自で少量の唾液を採取してもらい、回収する。すぐに検査を行い、結果は代表者へ通知する。陽性者が出た場合には、宇都宮市保健所に発生届けを提出するという。

 保健所を通じて行う「行政検査」の対象は一般的に、感染者の濃厚接触者や高熱など疑わしい症状がある人。だが、無症状であっても「実は陽性なのでは」と不安に感じている人が多数いるとみられる。

 企業や団体にとって、陰性のお墨付きは「安心安全の見える化」にもつながる。同事業団健診推進課の手塚真史(てづかまさし)課長(45)は「感染拡大は続いており、感染リスクは常にある。1度受けて終わりではく、定期的な検査で不安を払拭(ふっしょく)してほしい」と訴えている。