処暑が過ぎたとはいえ名ばかりで、過酷な残暑が続く。長梅雨の反動か、今夏の太平洋高気圧はしたたかでしばらく我慢の日々が続く。そんな中でも秋の気配がちらほら見受けられるようになった▼気の早いコスモスが開花し始めている。壬生町のとちぎわんぱく公園では、10月にもなると7500平方メートルの花畑に約100万本のコスモスが花を付けるが、先遣隊が様子をうかがうようにぎらつく陽光にもめげずけなげに咲いている▼夏バテ気味の心身をなんとかリフレッシュできないものか。日光市の二荒山神社で9月7日まで風鈴展が開かれている。大谷川に架かる神橋と本殿周辺に陶磁器製の風鈴計750個がつるされ、時折、吹く風に涼やかな音色を鳴らす▼神社職員で市内の自宅に陶芸の窯を持つ佐藤和彦(さとうかずひこ)さん(58)の手作りの風鈴である。前職の自衛隊時代に設立に関わった陶芸クラブで腕を磨き、作陶は足かけ30年にも及ぶ。神社の依頼を受け4年前から、益子の土を使った陶器と磁器の2種類を作り続ける▼陶器は素朴な音を奏で、磁器はより澄んだ音色が心地よい。「聞く人それぞれですが、涼感は磁器製の方が勝るかも」と佐藤さんは言う▼その音が邪気を払うとも言われている。コロナ禍の中、疫病退散の願いを込め、暑気払いを兼ねて風鈴を楽しむのも悪くない。