安倍晋三(あべしんぞう)首相が辞意を表明した28日、栃木県関係国会議員にも驚きや、回復を願う声が広がった。「日本を間違いない方向に進めた」「国民をだましてきた」。約7年8カ月にわたる歴代最長政権の評価については、与野党で見解が分かれた。

 自民党県連会長代行の佐藤勉(さとうつとむ)衆院議員は「来年の五輪まで務めるのが道筋だと思っていただけに、本当に残念。ゆっくり休んで、しっかり体調を回復させてほしい」と気遣った。その上で「日本を間違いない方向に進めてくれたことは大きな功績。心から敬意を表したい」と話した。今後は後継首相が注目されるが「安倍政権を踏襲し、コロナ危機に毅然(きぜん)と立ち向かうのが大きな条件」とした。

 「大変残念だ。長期政権の後という違いはあるが、任期途中の辞任であり、第1次政権の政権投げ出しの印象がよみがえった」。自民の船田元(ふなだはじめ)衆院議員に突然の辞意表明はそう映った。

 外交実績やアベノミクスによる経済再生を評価する半面、憲法改正や党運営を巡っては首相と自身の政治手法に「大きな隔たりがあり、十分にサポートできなかったのは心残りだ」と述べた。後継首相には「現政権の姿勢を継承する人がなるのだろう」とみている。

 自民の高橋克法(たかはしかつのり)参院議員は「任期を全うし、目の前にある課題を少しでも前進させたいという思いはあったと思う。一方で、健康状態が誤った政治判断を招きかねないと客観的に判断したということだ」と理解を示した。さらに「功績の一方、批判もあると思うが、それを真摯(しんし)に受け止め最終的に判断されたことを評価したい」と話した。

 立憲民主党県連代表の福田昭夫(ふくだあきお)衆院議員は「お見舞いを申し上げるとともに、一日も早い回復を祈念する」といたわった。一方で政権の実績は「評価できることは少ない」と突き放す。特にアベノミクスに関しては「見栄えだけで実感がなく、国民をだましてきた」とし、「戦後日本の良いところを壊してきた政権の後始末をすることになる。次の総理は大変だろう」と続けた。

 無所属の渡辺喜美(わたなべよしみ)参院議員は「無念の思いと、治療に専念できる安堵(あんど)感の両方があるのでは」と首相の心中を推測した。自身が閣僚だった13年前と比べ「今回の方が余力を残しての辞任だと思う」とも述べた。コロナ禍で経済が冷え込む中で船出する後継政権には「消費税減税のような荒療治をできる人が総理にならないと、自民は政権交代の悪夢を再び見ることになりかねない」と見解を示した。