料理を盛り付ける安斎さん

看板メニューの「穴子黄金揚げ」(右)と夏にお薦めの「冬瓜とホタテくず煮」

安斎邦彦さん

料理を盛り付ける安斎さん 看板メニューの「穴子黄金揚げ」(右)と夏にお薦めの「冬瓜とホタテくず煮」 安斎邦彦さん

 東急大井町線の尾山台駅から徒歩2分。旬の天然魚介類と野菜で丹念に仕上げられた創作和食を目当てに、各地から食通が集まる。

 10年前までは「酒亭田園」という店だった。先代の引退を受け、板前として働いていた旧黒磯市(那須塩原市)出身の安斎邦彦(あんざいくにひこ)さん(62)が引き継いだ。

 実家が魚屋で、結婚式や法事の仕出し料理作りを手伝いながら育った。客が喜ぶ顔がうれしく、小学5年生の時には料理人になろうと決めていたといい、18歳で都内にすし店などを展開する会社に就職。さらに腕を磨こうと36歳の時、テレビの料理番組に出演するなど名の知れた料理人だった先代に師事し、「だしの取り方とか、料理の鉄板を学んだ」(安斎さん)。

 店を訪れたら、名物の「穴子黄金(こがね)揚げ」をぜひ注文してほしい。生クリームやマヨネーズなどを混ぜたすり身を穴子を包んで揚げたもので、外はサクッとしていて中はふんわり。師弟で完成させた「ここでしか食べられない」絶品だ。

 その日の良い食材を堪能してもらおうと、お薦めは日ごとに変わる。一方で日本酒は秋田県の銘酒「高清水(たかしみず)」のみ。先代が醸造元に頼んで造ったという辛口が料理の魅力を引き立てる。

 「お客を喜ばせよう、楽しませようという気持ちは今も変わらない」。家業を手伝っていた少年の心のまま、安斎さんはきょうも板場に立つ。

 メモ 世田谷区尾山台3の24の11の105 電話03・3702・3774。午後6~10時。月曜定休。コースは1人6500円(税別)から相談可。

■店主の思い

 ウドやナスは栃木県産を使っています。それと、お客さんの中に那須塩原の別荘やゴルフ場に通う人がいて「(栃木の人は)優しい人が多いね」といつも言ってくれます。地元出身として誇らしく思っています。