排水路の幅を測る吉川准教授(写真左)と高校生

 宇都宮市は26日までに、新潟大や宇都宮大などと共同で田んぼダムの効果分析に向けたフィールドワークを実施し、田川上流域の排水路を測量した。調査結果から大雨時の排水量などを想定し、下流域での水害がどれほど防げるかをシミュレーションする。導入効果を明らかにし、より多くの農家へ田んぼダムを広めていく狙いだ。

 田んぼダムは、上流域の水田に雨を一時的にためて排水を抑え、下流域の被害を和らげる。排水口に取り付ける調整ますや直径約5センチの穴が空いた木板の働きで水を少しずつ流し、河川の水位が急激に上がるのを防ぐ仕組みだ。

 市は4月から、うつのみや中央土地改良区に田んぼダム実施の協力を呼び掛けている。現在、田川上流域で水田面積180ヘクタール、雨水貯留量21・8万立方メートルを確保しているという。

 現地測量は19~21日の3日間にわたって実施した。両大学の教員や学生、農業土木を学ぶ宇都宮白楊高の生徒など計28人が参加。田川上流とその支流の山田川流域に点在する水田は約1万3千ヘクタール。その排水路上に設定した250地点で、排水量や勾配を調べるために水路の幅や深さなどを測った。

 効果分析には、新潟大の吉川夏樹(よしかわなつき)准教授(農業土木学)らが協力。調査データを基に、昨秋の台風19号と同規模の大雨が降ったときの浸水想定モデルをつくる。流域の浸水深を算出し、田んぼダムを実施した場合と未実施のモデルを比較する。来年3月までに分析を終え、市は田んぼダムの普及にも活用する予定だ。

 吉川准教授は「1枚の田んぼだけでなく、流域全体でやるから効果がある。良い結果がでれば普及にもつなげられる」と話した。