過去最多4740人で埋まった2月のホーム川崎戦。今季は入場制限も予想され、DPの浸透が売り上げの鍵を握りそうだ=ブレックスアリーナ宇都宮

 新型コロナウイルス感染症対策で試合会場の入場制限が実施される中、バスケットボールB1宇都宮ブレックスがホーム観戦チケットに「ダイナミックプライシング(DP)」を導入する。航空券などと同様に需要に応じてチケット価格が上下する仕組みで、今季Bリーグでは川崎と並んで取り入れる。チケット残数を最小限に抑えて収益の最大化を目指し、悪質な転売抑止も図るのが狙いだ。

 今季はホームの全試合にDPを導入する。標準価格は2万4千円(コートサイドSS席ホーム側1列目)~2500円(2、3階大人自由席)。販売価格は毎日変動し、天候や購入傾向などのビッグデータを基に人工知能(AI)がその日の最適な価格を設定する。

 ブレックスは人気が集中するチケットでも当面、販売価格の上限を標準価格の2倍程度とする予定。標準価格以下で販売されるケースも想定され、購入のタイミング次第ではSS席がホーム側SA席(1万1千円)と逆転する可能性もあるという。

 ブレックスのホーム観客動員は好調だ。Bリーグが発足した2016-17シーズン以降、右肩上がり。昨季は1試合平均4237人と過去最高更新ペースで推移した。

 一方、県内の最大収容施設はブレックスアリーナ宇都宮(宇都宮市体育館)の約5千人。これに対し、B1千葉はホーム船橋アリーナに6千人超、千葉ポートアリーナでは7千人超を収容した実績がある。今季は新型コロナの影響で入場制限が続くことも想定され、チケット売り上げの最大化は必須だ。

 藤本光正(ふじもとみつまさ)社長は「ファンに質の良い試合を提供し続けるためには、財務強化が不可欠」とDP導入の経緯を説明。昨季までは一部チケットが買い占められ、会員制交流サイト(SNS)などで販売価格の2~3倍で売りに出されたケースがあり、悪質な転売を抑止する狙いもある。

 他競技では既にプロ野球ソフトバンク、サッカーJ1横浜MなどがDPを導入している。ブレックスへの導入をサポートしたダイナミックプラス社(東京都千代田区)は「価格帯が広がり、観戦機会も増えるはず。適正価格で購入でき、ファンにとってもメリットは大きい」としている。