水害から命を守るためにやっておくべきこと

避難のタイミング

水害から命を守るためにやっておくべきこと 避難のタイミング

 近年、全国で台風による水害やゲリラ豪雨など想定外の災害が頻発している。昨年は台風19号の直撃で本県も河川の氾濫などが発生し、甚大な被害を受けた。ことしは水害だけでなく、新型コロナウイルスの脅威が加わり、感染防止対策も求められる。「もしも」の時に命を守れるよう正しく行動するための策を専門家に聞いた。9月1日は防災の日。

 「平時のうちに自宅の災害リスクを知り、安全な避難経路や取るべき行動を確認して」とアドバイスするのは、県危機管理課の荒巻利光(あらまきとしみつ)課長補佐。自宅が災害リスクのある区域に入っているのか確認するのに使うのが、浸水想定や避難場所を示した「洪水ハザードマップ」。市町が配布しているほか、市町や県、国土交通省のホームページ(HP)で確認できる。浸水想定区域が色付けされているので、自宅の場所をチェックしよう。

■中小河川も注意

 ただ洪水ハザードマップの対象河川は国交省などの「洪水浸水想定区域図」を基にしているケースが多く、中小河川については載っていないことも。台風19号では、浸水リスクを示していない中小河川での氾濫もあった。念のため、県が6月に作成した中小16河川の水害リスクを示した「浸水リスク想定図」も県のHPでチェックしたい。また、土砂災害ハザードマップやため池などの危険箇所が自宅に近くにないかも確認しよう。

 洪水ハザードマップで自宅が色付けされていたら、「災害の危険があり、原則として避難が必要」ということになる。ただ、家屋が倒壊する恐れが低い区域や、浸水する深さより高いところにいる場合は、自宅に留まり安全確保をすることもできる。一方、色付けされていなくても、周りより低い土地や崖のそばなどに住む場合は、必要に応じて避難する可能性がある。

 避難が必要な区域に住んでいた場合、日頃から避難先について考えておこう。安全な場所に住む親戚や知人に身を寄せられるなら、相談しておく。親戚などがいなければ、市町が指定する指定緊急避難場所へ避難するため、ハザードマップや県、市町の避難所検索サイトなどで場所を確認する。避難所は地震や洪水、土砂災害などの種類ごとに指定されているので注意する。

 荒巻課長補佐は「新型コロナで密を避ける観点から、親戚や知人宅、車中での避難も一つ方法として検討してほしい。ただ、長期の車中泊はエコノミー症候群のリスクがあるので気を付けてほしい」と話す。

■マスク含め準備

 避難先を決めたら、道中に水路や崖、交差点のアンダーパスなど水害時に危険な箇所がないかチェックしながら、経路確認を行っておく。持ち出す物も準備し、移動時に両手が使えるようリュックサックに入れておこう。コロナ禍での避難はマスク、消毒液、体温計を持参することも忘れずに。

 避難するタイミングは、市町や気象庁が発表する5段階の警戒レベルが目安となる。高齢者や乳幼児等がいて、避難に時間がかかる家庭は「レベル3」の発令段階で、「レベル4」では全員が速やかに避難する。「レベル5」では既に災害が発生している可能性がある。豪雨時の移動は危険が伴うことを考え、なるべく明るいうちに避難することが大切だ。

 荒巻課長補佐は「どのタイミングでどう行動するか決めておくと、スムーズに対処できる」と指摘。台風発生から災害が起きるまでに、いつ何をするかをまとめ、家族で情報共有する計画表「マイ・タイムライン」の作成を勧めている。