新型コロナウイルスと川崎病の関連性について説明する中村教授=自治医大

 欧米などで新型コロナウイルスに感染した子どもに、川崎病と似た症状が見られたとの指摘がある中、自治医大の中村好一(なかむらよしかず)教授(公衆衛生学)は22日までに、「現段階で新型コロナウイルスが川崎病の原因とは考えられない」と否定的な見解を示した。川崎病の罹患(りかん)率は日系やアジア系が高いにもかかわらず、新型コロナに感染し、川崎病を発症した子どもが日本国内で確認されていないことなどを理由に挙げた。

 川崎病の全国調査を担当している中村教授。川崎病に似た症例の報告が、欧米やインドなどからあるとし、「血管の炎症や皮膚の発疹など川崎病と共通する点はある」とする。

 一方、川崎病は日系、アジア系、黒人、白人の順で罹患率が高いことが分かっており、「新型コロナが川崎病に関係しているとすれば、日本においてPCR検査陽性で川崎病と診断される子どもがいるはずだが、報告はない」と否定的見解の根拠を説明する。日本で新型コロナ感染症が拡大した春以降、川崎病患者が増えている状況もないという。

 日本では、1歳前ごろが川崎病にかかる年齢のピーク。海外の報告では、新型コロナに感染した4、5歳の子どもで川崎病と類似の症状が報告されていることにも触れ、「欧米はもともと川崎病にかかりやすい年齢が高めだが、それにしても高い」と関連性を疑問視する。

 他の感染症でも川崎病に似た症状が出る場合があるとし、「新しいウイルスが出ると川崎病との関連を疑うことはこれまでにもあった。新型コロナ対策は非常に重要だが、今のところ感染と川崎病との関連を心配する必要はない」と強調した。

 【川崎病】 1967年に小児科医の川崎富作氏が報告した。主に乳幼児がかかる。全身の血管に炎症が起こり、高熱、結膜の充血、皮膚の発疹などの症状が現れる。国内の患者数、罹患率は上昇傾向にある。原因は不明。多くは問題なく回復するが、心臓の冠動脈にこぶが残り、心筋梗塞などを引き起こすこともある。