「新しい大きな波が来たときにも対応できるような体制を取っていく」と語る海老名県保健福祉部長=19日午後、県庁

 新型コロナウイルス感染者の県内初確認から、22日で半年。県の新型コロナ対応の中心に立ち、自らも医師免許を持つ海老名英治(えびなえいじ)県保健福祉部長(42)に、半年間の振り返りと今後の課題を聞いた。県内の状況は「爆発的な感染に至っていない」と指摘しつつ、今後の課題として呼吸器感染症が流行しやすい秋以降に向けた対応などを挙げた。

 -半年間の発生動向をどう振り返るか。

 「4月に一山があり、5、6月に一度落ち着いた。現在は大きな山ができているが、関東の中では落ち着いて推移してきた。感染者が多い東京都に近いため患者も増加しているが、爆発的な感染状況に至っていないのは、県民や事業者の努力が非常に大きい」

 -今後の懸念は。

 「一般的に秋冬は呼吸器感染症が流行しやすい。気候的に換気もしづらく『3密』になりやすいため、感染者数が増えるリスクも高くなる。新型コロナ対応の中で迎える初めての秋冬でもあり、感染状況は注視しなければいけない」

 -検査・医療提供体制の整備状況はどうか。

 「医療機関や医師会など関係者の協力のおかげで、国の推計に基づいた体制はある程度確保できた。今後はこれらを維持しつつ、必要な場合に機動的に動ける体制をつくっていく」

 -社会経済活動との両立には今も難しさがある。

 「テレワークやウェブ会議など、物理的な接触を避ければ感染リスクは下がる。だが実際の移動や人との関わりが必要な観光や医療の分野などで、どう感染防止を織り込むかが鍵だ」

 -県民への情報発信や危機意識の共有も課題だ。

 「県ホームページでは、検査陽性率など警戒度の指標も公表している。感染状況を見る上では、一日一日の動きよりも指標の推移の方が重要であり、丁寧に説明していく。新型コロナに特化した情報を発信するLINE(ライン)の公式アカウントも開設したので、ぜひご利用いただきたい」

 -県内でも感染者やその家族、医療従事者らへの差別や風評被害がある。

 「患者に元通りの生活に戻ってもらうことが医療の究極のゴール。新型コロナ感染症が治り、自宅に戻ったとき、生活しづらさを感じる状況になっていることは心苦しい。誰もが感染してしまう可能性があるので、自分が患者になったとき、周囲から掛けてもらいたい言葉を考えてほしい。県としては一生懸命、繰り返し普及啓発をしていく」