本県遺族代表として献花に向かう福山さん(中央前から3人目)=15日午後0時半、東京・日本武道館

 15日に行われた全国戦没者追悼式には本県から3人の遺族が参列した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で前年の74人から大幅に減少した。コロナが猛威を振るい、世界に不安や分断が広がる中で迎えた「終戦の日」。感染対策を徹底し式に臨んだ3人は、故人への思いを胸に平和への祈りをささげた。

 県によると、縮小決定後の参列者募集に17人が申し込んだが、感染への懸念などから辞退が続いた。6千人規模で行われた近年は70~80人台が参列していた。

 さくら市鹿子畑、農業岡崎清治(おかざきせいじ)さん(63)は、1945年7月にフィリピン・セブ島で戦病死した伯父勝(まさる)さん=享年26=の遺影を手に初めて参列。「自分たち60代以下が意識を高めないと」。隣席と1メートルの間隔がとられた会場で黙とうし、戦争を語り継ぐ決意を新たにした。

 5年前、伯父の遺体を埋葬した男性と出会い、遺族として使命感に駆られた。今では市遺族会の役員を務め、地元の平和活動にも積極的に参加する。現地で伯父たちの遺骨を収集するのが最終目標という。それだけに安倍晋三(あべしんぞう)首相が式辞で遺骨帰還について「全力を尽くす」と述べたことには「言葉だけでなく、具体的行動を」とくぎを刺した。

 本県代表で献花したのは同市フィオーレ喜連川4丁目、福山幸男(ふくやまゆきお)さん(77)。東京都出身の父亀雄(かめお)さん=享年37=は45年7月、フィリピンでゲリラ戦の末に消息を絶った。