「薄れゆく少年飛行兵特攻隊」を手にする四十八願さん

 16歳で陸軍少年飛行兵を志願し、静岡県の連隊本部で終戦を迎えた栃木県佐野市石塚町の四十八願好造(よいならよしぞう)さん(96)はこのほど、自らの戦争体験をまとめた冊子「薄れゆく少年飛行兵特攻隊」を作成した。「戦後75年の節目に、平和や命の大切さを改めて伝えたかった」という四十八願さん。「これからも命のある限り、語り継いでいきたい」と思いを新たにしている。

 四十八願さんは水戸市にあった陸軍航空通信学校に入校し、消灯後もトイレにこもり勉強を続けるなどして成績優秀で卒業。仲間が特攻隊などに配属される中、学校に残り後輩の指導係に指名されたという。

 今生の別れと覚悟して見送った仲間たちは、フィリピンや中国などに赴き、20歳前後の若さで戦争の犠牲となった。「神風特攻隊の勇敢なる姿をしのんで戦争体験を語るのが私の責務という思いが、年々強くなってきた」と四十八願さんは語る。

 佐野地区の全小学校や公民館などで講演を始めたのは、自治会や老人会の役員を卒業した73歳の時。年10回を超えるペースで自らの体験を伝え、「今の豊かな社会があるのは尊い犠牲があったからこそ、ということを忘れないでほしい」と締めくくる。

 冊子は自らの体験や講演の骨子をA4判5ページにまとめ、150部作成。すでに市や市教委など関係機関に配布したという。四十八願さんは「4年後、100歳になったときには続編を作りたい」とますます意気盛んだ。