スパゲティを盛り付ける苅部さん

県産コシヒカリを使った「とうもろこしのリゾット」(右)。タマネギの丸ごとロースト(左)や、からすみがたっぷりかかったスパゲティも評判だ

苅部勝一さん

スパゲティを盛り付ける苅部さん 県産コシヒカリを使った「とうもろこしのリゾット」(右)。タマネギの丸ごとロースト(左)や、からすみがたっぷりかかったスパゲティも評判だ 苅部勝一さん

 若者でにぎわう下北沢の一番街商店街。通り沿いのビルの3階に上れば、店名が表すようなアットホームな雰囲気が広がっている。

 旬の素材を使う一方、「どこにでもある食材に時間をかけ、おいしくするのもこだわり」と市貝町出身のオーナーシェフ苅部勝一(かりべかついち)さん(48)は話す。例えば鶏や牛の内臓料理は下処理など調理に約6時間を費やし、人気の「タマネギの丸ごとロースト」も低温で長時間焼いて甘みを引き出す。

 イメージするのはイタリアの家庭で食べられる大皿料理という。評判のリゾットに使うのは市貝の両親が作るコシヒカリ。「定番はイタリア米だが、コシヒカリの甘みがあったほうがおいしい」。現地の感覚を取り入れながらも、日本人の舌に合う味を心掛ける。

 大学時代、都内での1人暮らしやアルバイトを通じて料理のとりこに。卒業後は宇都宮市内で会社員生活を送ったが、「一生やるなら好きなことを」と1年ほどで退職して再上京。有名イタリア料理店などで腕を磨き、9年前に独立した。

 書道は師範の腕前を持つ。書と料理で通じる面もあるといい「集中力や人間性がものを言う」と肝に銘じる。子ども好きなこともあり、将来的には食育に関わりたいという。「食べることが楽しいことだと分かってもらえるような仕事がしたい」と思い描いている。

 メモ 世田谷区北沢2の34の11 ふくろうビル3階。電話03・5790・9535。平日は午後5~10時、土日は正午~午後3時、同6~10時。水曜定休。

■店主の思い

 栃木は水も空気も野菜も全ておいしいと思います。特に家族が送ってくれる完熟のイチゴは、他県産とはレベルが違う。良いものがたくさんあるので、もっと積極的にアピールした方がいいのに、と感じます。