新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ本県観光地の回復につなげようと、栃木県がプロモーション事業を強化している。主に首都圏からの誘客を目指し、動画配信サイトへの広告配信を始めたほか、来月には首都圏のターミナル駅を中心にデジタル広告を掲示する。新型コロナの収束が見えない状況でのプロモーション活動を強いられるジレンマを抱えながら、担当者は「選ばれる栃木」を目指し、PRに力を注ぐ。

 県は「県民一家族一旅行推進事業」を推進しているが、県内観光地の人出は「コロナ前にはまだまだ及ばない」(県観光交流課)。観光、宿泊業の回復には本県観光客の半数超を占める首都圏へのアピールが不可欠として、本年度の6月第2次補正予算に事業費1億8800万円を計上した。

 広告動画は動画投稿サイト「ユーチューブ」で今月8日、配信を開始した。関東地方と宮城、福島両県の視聴者をターゲットに約1分半の動画を届ける。本年度当初予算の事業費約2200万円にさらに5千万円上乗せし、配信回数を増やした。動画では日光など代表的な観光地や温泉地を多く取り上げ、閑散期の冬の誘客につなげる。

 来月からは東京都を中心とする首都圏でJR東日本、東武鉄道とPR事業を展開する。来年1月まで、池袋駅構内や浅草駅屋外ビジョンにデジタル広告を掲示するほか、約50の駅や車両にポスターや中づり広告を張り出す。来年2月にはJR上野駅でタイアップイベントも計画している。

 首都圏のターミナル駅などでは政府の観光支援事業「Go Toトラベル」を見越し、自治体間で広告枠が取り合いになったという。県観光交流課の担当者は「例年と異なり、非接触型のPR策を他の自治体も強化している。感染者が再び増加に転じる前から先手を打たなければならなかった」と振り返る。

 10月には東京都墨田区の東京スカイツリーで集客イベントを予定する。人の密集を避けるなど感染対策を施した上で、本県特産品を販売したり、本県の紅葉の動画を流したりするなどしてPRする。