慰霊碑に献花し、手を合わせる参列者=9日午前、宇都宮市西川田4丁目

 栃木県関係の原爆死没者を悼む「第30回県原爆死没者慰霊式」が9日、宇都宮市の県総合運動公園憩の森にある慰霊碑前で営まれた。同日は長崎に原爆が投下されてから75年の節目。被爆者や遺族ら約95人が参列し、犠牲者の冥福を祈るとともに核兵器廃絶や平和への思いを新たにした。

 慰霊式は県原爆被害者協議会(県被団協)が慰霊碑を建立した1991年から毎年行われている。2018年の県被団協解散を受け、同年からは連合栃木などによる県原爆死没者慰霊碑を守る会設立準備委員会が引き継いでいる。

 式では冒頭、参列者全員で犠牲者に黙とうをささげた。準備委員会の谷博之(たにひろゆき)委員長(77)は「終戦から75年目の夏を迎えた。これからも世界で唯一の被爆国として平和の尊さを訴えないといけない」とあいさつした。

 14歳の時に長崎で被爆した県被団協元会長の中村明(なかむらあきら)さん(89)は「慰霊碑建立からいつの間にか30年。私もまもなく90歳になる。もう被爆者も数はいない。私たちが最後になるよう、核廃絶を訴える運動に皆さんも取り組んでいただきたい」と訴えた。

 その後、参列者たちが順番で慰霊碑に献花し、静かに手を合わせた。