福田知事の5選出馬会見。知事選の争点について、新型コロナ対応と台風被害からの復旧を挙げた=7日午後5時20分、県庁

 福田富一(ふくだとみかず)知事(67)が7日、5選に向けて正式に立候補を表明したことで、無所属での出馬を明らかにしている元NHK宇都宮放送局長の田野辺隆男(たのべたかお)氏(60)と一騎打ちの構図がほぼ固まった。政権与党の自民、公明両党は福田知事の決断を歓迎し、政策協定の締結を調整中。野党は福田知事が掲げる政治信条との整合性や、実績の中身に疑問を投げ掛け、田野辺氏の支援体制を探っている。

 自民党県連の木村好文(きむらよしふみ)幹事長は、足利銀行の一時国有化や大規模災害など多くの有事対応の手堅さを評価。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ「この時期に対応できるリーダーは福田知事しかいない」と太鼓判を押した。

 全国3位となった県民所得や園芸農業の成長など、4期16年の経済的な実績も称賛。「次世代のためにも栃木県が向かっていく具体的な方向性を示してほしい」と期待を寄せており、全面的に支援する方針だ。

 「多選批判をはね返すだけの実績や政策、思いを訴えれば有権者に理解してもらえる」と支持したのは、公明党県本部の山口恒夫(やまぐちつねお)代表。子育て支援の取り組みを評価した上で、新たに掲げた首都機能移転推進について「コロナの時代では首都機能も産業や働き方も分散させることが大事」と賛同した。

 一方、立憲民主党県連の松井正一(まついしょういち)幹事長は、権力の座に10年居続けると必ず腐敗するという意味の「権腐十年」を福田知事が掲げてきたことに触れ、「5期目に臨む決意をした具体的な考え方をしっかり見定めたい」と強調。国民民主党県連の斉藤孝明(さいとうたかあき)代表は「コロナ禍での表明であり、新しい生活スタイルに合わせた発展の道筋をどう示すか注視していきたい」と慎重な見方を示した。

 共産党県委員会の野村節子(のむらせつこ)副委員長は「適切な時期に交代するのが県政刷新には大切」と真っ向から批判。福田知事が実績に掲げる非常時対応についても「経験則では測れない事態は起きうる。これまでのかじ取りの中で、県民の暮らしが良くなったとは言えない」と切り捨てた。

 「無所属県民党」を掲げる田野辺氏は特定政党の推薦を受けず、政策協定も結ばない考えで、各地で勝手連的な支持団体が立ち上がっている。県内5野党は、2016年参院選で野党統一候補として出馬した田野辺氏と知事選での連携を探っているが、具体的な支援体制は不透明なままだ。