栃木県内の経済情勢報告

 関東財務局宇都宮財務事務所は4日、7月判断の県内経済情勢を発表した。新型コロナウイルス感染症の影響により「厳しい状況にあるものの、足元では下げ止まりの動きがみられる」とし、前回判断から上方修正した。国の緊急事態宣言の解除を受け、個人消費の持ち直しなどを重視した。同事務所は緊急事態宣言が出されていた4、5月ごろが経済情勢の“底”だったと捉えている。

 新型コロナの影響で約7年3カ月ぶりに下方修正した4月判断以前は、10期連続で総括判断を「緩やかに回復しつつある」と据え置いており、上方修正は約3年ぶり。

 同事務所は4月末から7月中旬までの経済指標と、7月下旬までの企業への聞き取りを基に判断した。

 主要3項目のうち個人消費は、百貨店・スーパー販売額や乗用車の新車登録届け出台数が前年を下回ったものの、ドラッグストア販売額や家電大型専門店販売額が前年を上回った。同事務所は「新型コロナの影響が残るものの、足元では緩やかに持ち直しつつある」とし、上方修正した。

 聞き取りでは「休業で売り上げは大幅に減少したが、営業再開後は戻りつつある」(百貨店、中小企業)、「特別定額給付金が支給され始め、客数が伸びている」(家電量販店、中小企業)といった声があった。

 生産活動は、鉱工業生産指数を業種別に見ると、生産用機械や電気機械は上昇しているものの、輸送機械や業務用機械は低下しており、「弱い動き」として前回判断を据え置いた。

 雇用情勢は有効求人倍率の低下や新規求人の減少から下方修正し、「弱い動き」とした。

 先行きについて行木寿夫(なめきとしお)所長は記者会見で「厳しい状況から持ち直しに向かうことが期待される」と述べた。ただ、6月下旬以降、県内の感染者数は増加傾向にあり、同事務所は「地域経済に与える影響に十分注意が必要」としている。