新型コロナウイルス感染拡大の影響で、夏休みの子どもたちが作品づくりに挑戦するコンクールの中止が相次いでいる。大田原市で毎年開かれている絵画展「MOA美術館おおたわら児童作品展」もその一つだ。

 人間国宝の竹工芸家藤沼昇(ふじぬまのぼる)さん(75)=同市名誉市民=の意向で創設された基金を元に始まり、今年で第8回を数えるはずだった。初回は422点だった応募が昨年は728点に増え、近年は全国展で入選する作品も出ていた。中止は残念だ。

 ザリガニを捕まえるなどの夏の体験、精緻なロボット、七色に輝く愛犬-。子どもたちが好きなテーマを生き生きと描いた作品は、エネルギーにあふれ、毎年、印象的だった。主催側が「大人の意見ではなく、自分の描きたいことを目いっぱい描いて」と子どもたちに呼び掛け、審査で「こびていない作品」を選ぶよう努めてきたことが実ってきていた。

 困難な時代を生き抜ける人材を育てる上で、子どもたちの創造力や感性を伸ばすこうした取り組みは続いてほしい。早くコロナが収束し、作品展が再開できることを願う。