大田原市内で目撃されたニホンジカ。同市では今後、農林業の被害発生が懸念される(大田原市提供)

 ニホンジカの生息域が近年拡大しつつある栃木県北・県東地域。すでにシカが定着し、深刻な林業被害が出始めている。目撃されながら被害が発生していない地域もあるが、個体数が少ないためかえって捕獲が難しく、有効な対策が取れていない。これまで実例がなかった獣害対策に、現場では試行錯誤が続いている。

 木材産業が盛んな矢板市や塩谷町。県などによると、シカの生息域は従来高原山周辺だったが、十数年ほど前から急激に平地へと拡大した。特に植林して間もない木の食害や剥皮被害が深刻で、木材が製品にならなかったり、木の成長が遅れたりするといった被害が出ているという。