今市事件控訴審の経過

 2005年12月、日光市(旧今市市)大沢小1年だった吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件の控訴審は8日、東京高裁(藤井敏明(ふじいとしあき)裁判長)で第8回公判が開かれる。弁護団と検察側は被告の「自白」と殺害現場・状況の整合性や、DNA型鑑定などを巡り真っ向から対立。同日の公判では、無罪主張の弁護団と控訴棄却を求める検察側が総括的な弁論を行い、結審する見通しだ。

 殺人罪に問われ、控訴しているのは鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉(かつまたたくや)被告(36)。

 被告は捜査段階で、殺害現場を茨城県常陸大宮市の遺体発見現場近くの林道とし、立った状態の女児を「10回刺した。6~7秒だった」などと自白した。

 弁護側証人の法医学者は「自白と現場の状況は合わない」と指摘。自白通りの殺害行為は不可能と強調した。検察側証人の法医学者は自白と客観的状況に「矛盾や不合理な点はない」と反論。一方で「2~3割は違う部分があるかもしれない」とも述べた。

 DNA型鑑定を巡っても対立。弁護団は捜査関係者の型まで出ているのに、被告の型が出ていない点を疑問視し「出所不明の型があり真犯人の可能性がある」と主張した。一方、検察側証人は被告の型が出なくても矛盾はないと証言した。

 公判は異例の展開を見せた。東京高検が殺害時間に約13時間の幅を持たせ、殺害場所を「栃木県内、茨城県内またはそれらの周辺」と大幅に広げる追加の訴因変更を請求。弁護側は「検察官の権利の乱用だ」と反対したが、高裁は認めた。