展示の内容について説明する秋元さん=6月10日午前10時半、さくら市喜連川の自宅で

展示の準備を行う「和い話い広場」のスタッフ=28日午後3時半、さくら市喜連川

展示の内容について説明する秋元さん=6月10日午前10時半、さくら市喜連川の自宅で 展示の準備を行う「和い話い広場」のスタッフ=28日午後3時半、さくら市喜連川

 シベリア抑留を経験したさくら市喜連川出身の故秋元武夫(あきもとたけお)さん=享年(96)=による「ソ連抑留展」が8月4日から、同市喜連川の「和い話い広場」で開かれる。秋元さんは、短歌や俳句で戦争体験を伝えようと同展を企画したが、今月7日に他界した。遺志は展示会場の職員らに引き継がれ、開催が実現する。

 秋元さんは19歳で学徒出陣し、翌1945年に終戦を迎えた。その後3年余りシベリア・タシケントの収容所に抑留され、3交代制でれんがの製造に明け暮れたという。復員後、闘病生活を経て中学教諭を務め、85年に定年退職した。

 これまでも戦争体験や平和への思いを、地元喜連川の寺や小学校などで語ってきた。今回の展示は4月に開催が決まり、「今の人たちに戦争のことを知ってほしい。時間がないので」と熱心に語っていた。事前準備を自宅でほぼ完了し、本番を待つ中で急逝した。

 展示は、抑留をテーマとした短歌の色紙と俳句の短冊計56点と、歌と句をまとめた手作りの冊子、資料を配置する。秋元さんは晩年、終戦の年に見たバイカル湖を詠んだのを契機に短歌の道に入った。冊子の作品には「帰れぬと覚悟して見しバイカル湖 ふる里を恋ふ夏服のまま」など、当時の思いをつづっている。

 秋元さんの意向で、栃木市大平町、故白沢利男(しらさわとしお)さんがシベリア抑留体験を題材に描いた絵画の複写約40点も展示する。

 28日には会場で、準備作業が行われた。和い話い広場の津村京子(つむらきょうこ)主任(57)は「もう少し早く予定できればと心残りです。多くの人に見に来てほしい」と故人を偲(しの)んだ。

 展示は8月23日まで。同11、17の両日は休館。(問)和い話い広場028・666・8370。